〜画材と技術との出会い2014〜
1月アートルーム 「すこしおそい書き初め」
2014年最初のアートルームは「すこしおそい書き初め」
書き初めは年が明けて毛筆で書や絵をかく行事。
ふつうは1月2日くらいに行ないますが、今回のアートルームは1月19日。すこしおそい書き初めです。
机の上にならべられていたのは、いろいろな「筆」
でもどうやら、今回はこれを使わないようです。
代わりに置いてあるのは木の棒・ひも・テープ。
さてみなさん、今日は筆で字を書きますが、ふつうの筆は使いません。さあ、なにで書く?
棒そのまんまで書けないことはないけれど…。
ふつうの筆を見てみましょう。先の方には「毛」がついています。
「毛」といえばちょうど良いのがあるじゃない!とえりさんのポニーテールが狙われます。
人毛や動物の毛の筆もありますが、今回は植物を使って筆をつくってみます。
たとえばこれは、ねこじゃらし。
画楽の近所にもあるかねぇ?さがしに行ってみます。
あった!ほうきの先みたいな長い草!
ねこじゃらしも、
こんなにたくさんありました。
画楽の近くの高知八幡宮さんにあった干支の午。 この馬のたてがみの毛は、笹です。なるほど!
ついでに、いい字が書けるようにお祈り。
八幡さま、今年もよろしくお願いします。
画楽のまわりをぐるーっとまわって
使えそうなものをひろってきました。
これは枯れた杉の葉っぱ。
えりさんも良さそうなものを拾ってきました。
筆になるかな?すこしイレギュラーな「ヤシの皮」
みんな2つに割けたかたちをしていて、天使のはねみたいです。松本天使さま。
それではいざ、筆づくり!
えりさんの筆の毛は「和紙」 よく墨を吸ってくれそう。
材料を束ねて整え、木の軸にくっつけていきます。
長さもきれいに整えます。
吉川くん、職人さんのようにも見えます。
軸につけたあとにも調整して、筆は完成です!
たくやくんは、リバーシブル筆。
片方はねこじゃらしとワラみたいな草のミックス
もう片方はねこじゃらしのみのシンプル構成。 書き味がまた違うかもしれません。
ヤシの皮は最初は固くて割れてしまっていましたが、お湯にゆけて叩いて…
繊維で裂きほぐすと、よい感じになります。ちょっと、おつまみみたい?
筆ができたらまずは水で試し書き。
松本くんの筆、細めで書きやすそう!
たくやくんは豪快に試し書き。本番は墨を飛ばさないように気いつけちょってよ!
じゃぶじゃぶと、試し書きのあと。
上手くかけそうかね?
毛の長さや本数で、書ける線が全く変わってきます。
書き初め本番をする前に、何を書くか決めてしまいましょう。
本番はこんなに大きい紙に書きます!
今年の目標、好きな食べ物、やりたいこと、なんでもいいので、こんな感じに書きます。
例えば、焼き肉が食べたいなら。
テレビ好きのたくやくんは、ドラマのタイトル。
吉川くん。元ネタが定かではありませんが、どちらも食べ物。
あけみさんは家族のおはなし。
みわさん、イチゴが食べたい・みかんだいすき
えりさん。これからの季節、大変ですね…。
これまたたくやくんは、テレビ番組の名前。
下書き、こんなもんでえいかね?
お昼休憩して、いざ本番!
筆に墨をたっぷりつけて、
力強く、書きたいことをかいていきます。
こちらはたけしくん。NANADVDと書いていました。
勢いよく書いていくたくやくん。かすれがいい感じに出ていて素敵。
松本君。上田先生に「えいね~その筆ほしいにゃあ」と大絶賛
こちらはあけみさん。墨がはね方もいい味を出しています。
ノリノリのえりさん。毛筆たのしい?
文字が足りなかったりするのもご愛嬌。
筆の毛先のつくり方で、二つのストロークが生まれたり。
細い線が何本もつらなったり。えりさんはピーマンが大好きだそうです。
みんな、いい感じにできあがりました。
こちらはみわさん。
たけしくん。こんな書体があってもおもしろそう。
たくやくんの味のあるおでん。
これまたたくやくん。ひるおびに送ってみたら?
書き終えたら、十分に乾かして
筆と一緒に新聞につつんで持って帰ります。
松本くん、いい感じにできたかね?
上田先生、そこマイクあてるとこちゃうでー。
みわさん「おもしろかった!!」 それは何より!
今回のアートルームはこれにて終了!
筆という「道具自体をつくる」ところからはじめました。
大工さんや木工やさんは、市販の道具を買ってきても自分なりに手を加えて使いやすくしたり、自分で一から道具をつくったりするそうです。道具は手の延長で、自分の感覚を伝えるモノだから自分で調整をする。
職人さんの道具というわけではないけれど、自分に合った筆ができました?
普段使う鉛筆や筆も手作りしてみても、おもしろいかもしれませんね。
⇒イベント情報はこちら