〜出張ワークショップ〜
「尾﨑憧汰郎とつくる ねんどワークショップ in 牧野植物園(11/14)」
今回画楽一行がやって来たのは、高知市五台山にある「牧野植物園」
“日本の植物分類学の父”と呼ばれる高知県出身の植物学者「牧野富太郎」博士の業績を顕彰するためにつくられた総合植物園です。
現在※は「恐竜時代の植物たち ドクター・マキノと行く太古の森の植物採集!」という企画展を開催中。
長い歴史の中で進化してきた植物の歩みをたどることができます。
(※2015年11月 企画展会期:2015年8月1日~2016年1月11日)
今回はその企画展のサイドイベントとして、牧野植物園さんと一緒にねんどワークショップを行ないます。
この日はあいにくの雨でしたが、植物にとっては大切な雨。 ツワブキの葉っぱは雨に濡れてツヤツヤ。
水のしたたる芙蓉もきれい。雨の日の植物園も趣きがあります。
参加してくれるおともだちにはステゴサウルスの形をした名札をつけてもらい、いざワークショップのスタート! (午前・午後の2部構成ですが、合わせて様子をお届けします)
軽く今日の流れを説明したあと、
牧野植物園の里見さんが紙芝居をみせながら、いのちの進化についておはなしをしてくれました。
【マキノげきじょう - いのちの進化のおはなし】
地球という惑星が誕生してから長い間、地上は荒れ果てた大地でした。
今の多様な生命にあふれた地球にになるまでには、水の中で単細胞生物が生まれ…動植物が生まれ…それぞれ進化しながら陸地にあがり…。その長い時間の過程を、かいつまんでたどります。
植物が陸に上がってからの初期メンバー、クックソニア。水辺に生えるちいさな植物です。
この頃はまだ古生代。恐竜は存在しません。
時代が進み、恐竜が出てくるところになったところで、シルエットクイズ!
これなんだか分かる人~?という問いに、即、答えが返ってきます。さすが!
これは最古の恐竜といわれている「エオラプトル」だそうです。体長1mくらいの小さい恐竜です。
食べる植物の大きさと恐竜の体型を比べるシルエットクイズ。
どっちがどっちを食べていたでしょう?
背の高い「ナンヨウスギ」の葉っぱを食べる首の長い恐竜「カマラサウルス」
背の低い「ザミテス」を食べる「トゥオジャンゴサウルス」こちらはそんなに背が高くありません。
ケンカせずに食べわけて仲良くしていたんだとか。
荒れ果てた地球の大地を豊かな環境に変えた植物は、太古の昔から酸素・食べ物・エネルギーなど、動物が生きるために必要なものを絶えずつくり出してくれています。
そんな植物と動物の関係を頭の片隅に置きながら、ねんどワークショップにうつります。
【ねんどワークショップ】みんなでつくろう!
次は画楽へとバトンタッチ!
今回も好きな色のオーブンねんどを3つ選んでもらいます。
手であたためながら、ねんどをこねて柔らかくしていきます。
「ねんどがかたい~~」そんなおともだちも大丈夫。秘密兵器があります。
秘密兵器!クレイミキシングマシーン
ハンドルを回すだけでねんどを平たく延ばしてくれます。
秘密兵器!力のあるお兄ちゃん
声を掛けるだけでぎゅぎゅっとねんどをつぶして柔らかくしてくれます。
(ご兄弟4人で参加してくれました。頼れるお兄さんですね!)
ねんどを柔らかくしたら、各々で好きなかたちをつくります。(恐竜でもいいし、恐竜じゃなくてもOK) 何かつくるお手本が欲しいなあ、というときは、図鑑をみたり。
持ってきたフィギュアをみながら作ってみたり。
想像をふくらませてつくるも良し、観察してつくるも良し!です。
下書きをして持ってきている子もいました。
パーツごとに指示を書き入れる徹底ぶり。やるなあ!
ひもにしたねんどをぐるぐる巻いて、アンモナイト。マーブル色がきれいです。
選んだ色は3色でしたが、ねんどの一部を交換したり色を混ぜたりするとこんなカラフルなものもできます。
「足元がさみしいかなあ…模様をつけてみよう」
小さな造形に夢中になってつくる姿、カッコイイです。
自分の作品が出来たら、ポージングをします。
オーブンで焼いてかたまる前に、針金でポーズを固定。
「首はあげた方がえいね」「飛んでるポーズにしてみる?」
こんなやりとりをしながら仕上げをします。
【みなさんの作品の一部】 (針金は作品に含みません)
がっしりとした脚とツノの恐竜。
びよーんとのびた首が特徴。
元気に前足をあげる恐竜。横にあるのはタマゴだそうです。
力作のスピノサウルス!
ポージングまで完了した作品はオーブンに入れて焼きます。
【企画展をみてみよう】
作品が焼きあがるのを待つ間は館内をお散歩しながら見学します!
展示館の入り口近くには恐竜時代の植物が置いてありました。シダ植物と裸子植物です。
牧野博士と「エドモントサウルス」がお出迎え。
子供たちに大人気!化石発掘のコーナー。
展示室内では時代ごとに動植物の進化の過程をたどることが出来ます。
大きなカマラサウルスの模型にはみんな驚いていました。
迫力のある「トゥオジャンゴサウルス」の模型。
雨のため外は見学しませんでしたが、企画展にちなんだ植物や模型を展示しているそうです。
屋根のある通路からのぞく風景だけでも、恐竜が居そう?
【ねんどワークショップ】憧汰郎先生をのぞいてみよう!
作っている合間には憧汰郎先生の作品づくりを見てもらいました。
これは大まかに作った頭の部分です。
大まかに作ったベースに、竹串で細かいディテールをつくり込みます。
相も変わらず細かい仕事です。
(特にワークショップの時は気合いが入るのか、より丁寧につくるようです)
作っているところを間近で見ます。
「すげ~~…」と感嘆の声があがります。
これは「エドモントニア」という恐竜だそう。背中の細かい突起が特徴です。
ひとつひとつくっつけていきます。
肉食恐竜「ティラノサウルス」は鋭いキバとツメが特徴。
今回はワークショップの間に2体の作品をつくりあげました。憧汰郎先生、おつかれさま!
【ねんどワークショップ】仕上げ
さて、作品が焼き上がったら仕上げとしてディスプレイ用のボックスに固定していきます。
スタッフがホットボンドで接着。
…順番待ちしている後ろに控えていたのは、一緒に来ていたメンバーのみづきさん。
手に持っていたのは空き時間にこっそり作っていたバラの花。
牧野植物園さんへのプレゼントだそうです。
他のおともだちが作ったものもじっくり観察。
作品、完成です!
満足いく恐竜、できました?
平面に下書きをしてた恐竜も躍動感がある作品に変身しました。
作った作品の一部はワークショップのあと2週間、牧野植物園の展示室に飾られます。
みなさん、見に来てみてくださいね~。
頭、キバ、目、ツノ、胴体、脚、しっぽなど、今回のワークショップは恐竜の体のパーツをうまく意識して作っている作品が多いように感じました。
首の長い恐竜、鋭いキバをもつ恐竜、種を持つ植物、持たない植物…
長い年月をかけ、生き残るために進化してきた生き物の姿は、理由のある「生きるための造形」であるといえます。
そんな視点を持ちながら植物や動物を観察してみたり、造形するのも楽しいかもしれません。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!
牧野植物園の企画展は2016年1月11日まで開催しています。
まだご覧になってない方は是非行ってみてくださいねー!
(詳細は牧野植物園のホームページをご覧ください。)
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